雑記

大切な人とたくさん話をしよう

ジュン

こんにちは、ジュンです。

みなさんは周りの大切な人とたくさん話をしていますか?

厚生労働省は『人生会議』と言って、もしものときの医療の受け方やどこでどう過ごすかについてあらかじめ大切な人たちと話し合おうということを周知しています。

医療界ではAdvanced Care Planning(ACP)といって

[chat face=”man2″ name=”医師” align=”left” border=”blue” bg=”none”]そろそろACP始めないと[/chat]

とか

[chat face=”woman1″ name=”看護師” align=”left” border=”red” bg=”none”]ACPの書式作ってどんなことを話し合ったか記録できるようにしよう[/chat]

というような感じで話されていることが多いんです。

でも!
私はその言葉や考え方に強い違和感が…

今回は私の胸の内を吐き出したいと思います。

https://petitnurse.com/advancedcareplanning

そもそも人生会議(ACP)ってなに?

ネットでちょっと検索してみたら[人生の最終段階における医療の普及・啓発の在り方に関する検討会]という厚労省の会議で中心的な役割をされていた神戸大学の木澤義之先生のスライドを発見!

その資料の中で定義されていたことを引用します。

  • 今後の治療・療養について患者・家族と医療従事者があらかじめ話し合う自発的なプロセス
  • 患者が望めば家族や友人とともに行われる
  • 患者が同意のもと、話し合いの結果が記録され定期的に見直され、ケアに関わる人々の間で共有されることが望ましい
  • ACPの話し合いは、患者本人の気がかりや意向、患者の価値観や目標、病状や予後の理解、治療や療養に関する意向や選好、その提供体制を含む

アドバンスケアプランニング いのちの終わりについて話し合いを始める

この資料は専門的なので詳細を読んでも難しくてよくわからないかもしれません。

要はもし自分が人生の最終段階に差し迫ったとき『どのような治療を受けたいか、受けたくないか、どこでどんなふうに過ごしたいかなどを大切な人と医療者と話し合いましょう』
ということです。

ACPは簡単じゃない

一般的に健康なときはきっとこんな風にさらっと答えることが多いでしょう。

[chat face=”man2″ name=”一般人” align=”left” border=”blue” bg=”none”]最後は蘇生とかしないで欲しいな
家では家族が大変だから老人ホームに入るよ[/chat]

でも実際に病気になり残された時間に限りがあると知らされると

[chat face=”man2″ name=”患者さん” align=”left” border=”blue” bg=”none”]今はそういうことは考えたくないんです[/chat]

とか

[chat face=”man2″ name=”患者さん” align=”left” border=”blue” bg=”none”]これからどうしたいかとか聞かれたらもう終わりなのかと思った[/chat]

など、ご自身のこととして真剣に考えることができない人が多いんです。

それもそうです。

自分の命が終わるときのことは考えたくない!
不安や恐怖、さみしさなどが先に立ち考えることを拒んでしまうんですね。

なぜ「ACPをしよう」に違和感を感じるのか

患者さんの気がかりや心配
どんな価値観を持ってこれまで生きてこられたのか
何かの選択をするときこれまではどんな判断をしてきたのか
仕事や家族をどんなふうに思い大切にしてきたのか
生まれてから今までどんな人生を歩んできたのか
その中で患者さんを支えているもの、大切にしているものは何か

こういったものは

「さあ、今からACPしよう!」で知れるものではないと思っています。

診察や治療中、相談の中で少しずつ患者さんの語りの中から知ったり感じたりする。

私はそこを大事にしたいと思っています。

「今から話を聞くよ!」で聞けるような簡単なことではないんです。

しっかりと確認することも必要なので、どのような選択をしたいのかは話し合って決めていきますが

患者さんとの関わりの中でその人を知る

私はこれを大事にしていきたい。

必要なのは『答え』ではなく『プロセス』

こんな話題を振られると患者さんは答えを出さないといけないのかと嫌がられる人もいます。

いいえ!違います。

もちろん患者さんが答えを出せるのが一番いいのですが、出せなくてももちろんOK!

そのとき感じたこと、思ったこと、どんな気持ちなのか、どんなことが不安なのか

そんな思いをたくさん話していただければ十分なんですよ。

知りたいのは患者さんがどんな人なのか、そこだからです。

患者さんが意識がなくなって何かの決定を代わりに周りの人がしないといけないときに

[chat face=”woman1″ name=”看護師” align=”left” border=”red” bg=”none”]患者さんはこんな考えの人だったからこんな選択をするんじゃないですか?[/chat]

[chat face=”woman1″ name=”家族” align=”left” border=”red” bg=”none”]この人はいつもこんなことを言っていたのでこう選択すると思います[/chat]

こんな風に
患者さんの価値観や考え、大切にしてきたことをもとに代理意思決定をすることができる
ということができればいいからです。

患者さんが事前に決められるというのは理想ですが、決められなくてもいいんだって思えませんか?

代理意思決定とは

代理意思決定とは患者さんが意識がなくなって物事を決められなくなったとき、患者さんの代わりに意思決定をすることです。

これは代理意思決定者は誰か、ということを決めなければなりませんが、多くは配偶者などご家族になります。

それは患者さんのことをよく知っており、どのような選択をするか患者さんの意思を推定することができるからです。

[chat face=”man2″ name=”医師” align=”left” border=”blue” bg=”none”]患者さんの状態は○○です。
これからどうするか決めたいのですがどうしますか?[/chat]

医師からこんな風に意思決定に関する相談がある場合もあります。

このとき多いのが、ご家族はご家族の思いや意思・意向、価値観で判断してしまうことです。

代理意思決定とは患者さんなら何を選択するかという視点で話し合わないといけないので、ご家族の思いは一旦横に置いていただいて

[chat face=”woman1″ name=”家族” align=”left” border=”red” bg=”none”]この人はいつもこんなことを言っていたのでこう選択すると思います[/chat]

こんな風に患者さんの意思を推定できるような話し合いが必要になります。

そのためには何が必要か?

そうです。

患者さんは日頃何を思い、何を大切にして生きてきたのか、を知っていることです。

そう思うといろんな話を普段からたくさんできていること
これって大切なことだと思いませんか?

大切な人とたくさん話しをしようのまとめ

堅苦しい話じゃなくていいんです。

目の前の大切な人がどんな人なのか
何を大切だと思っているのか
これまでどんな選択をしてきた人なのか
もしものときどうしたいと思いそうなのか

そんなことを巡らせながらありふれた日常を送っていただければと思います。

いつかくる万が一は闘病の末、だけではありません。

突然やってくる場合もあります。

あたなの大切な人はどんな人ですか?

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